お子さんに「高専に行きたい」と
言われた保護者の方へ
- 高専受験の経験者が周りにいなくて情報がない
- 受験の準備を何から始めればいいかわからない
- うちの子に塾が必要か判断できない
高専受験は一般的な高校受験に比べて情報が少なく、身近に経験者を見つけるのも簡単ではありません。親として何をしてあげればいいのか、判断材料そのものが手に入りにくいです。
僕が高専を知ったのは中学2年生の秋です。中学3年生の夏から一般の塾に通い、手探りで受験勉強を進めて、なんとか学力入試で合格しました。
当時、少なくとも僕の周りには高専受験を専門に扱う塾はなく、通っていた塾の先生も「高専?」というところからのスタート。僕自身も、何をどこまで準備すればいいのかわからないまま、本番を迎えた記憶があります。
塾なしで高専に合格する子はいます。
ただし、それには条件があります。
この記事では「塾に入りましょう」とも「塾はいりません」とも言いません。代わりに、ご家庭で判断するための材料を整理していきます。
高専受験で大切なのは、最初から「塾に入る」と決めず、家庭で進められる部分と、外部の助けが必要な部分を分けて考えることです。
最初から「塾あり・塾なし」の二択にせず、足りない部分だけ外部の力を借りれば十分です。
先に結論:塾なしで合格する子もいる

高専受験に塾が必須というわけではありません。塾に通わず合格する子もいます。
ただし、「誰でも塾なしで大丈夫」というわけではありません。塾なしで進めやすい家庭には、共通する条件があります。
塾をどう使うかは、次の3段階で考えてみてください。
- 塾や外部サービスなしで進める
- 模試や講習など、必要な外部サービスだけ使う
- 継続的な入塾を検討する
塾に入る・入らないの2択ではなく、家庭に必要な支援を選ぶと考えると整理しやすくなります。
塾なしで進めやすい家庭の3条件

まず確認したいのは、次の3つです。
- 学力が合格圏にある
内申や定期テストが安定し、志望する高専との学力差が大きくない
- 子どもが自走できる
自分で計画を立て、詰まったときも自分で調べながら進められる
- 親が情報収集を支えられる
過去問の入手、出願情報、模試の申し込みなどを親がカバーできる
ポイントは、学力だけでは決まらないことです。
高専受験は情報が少ないぶん、「自分で進める力」と「親の情報収集」も重要です。
チェックリスト:8つの問いで確認する
今の状態を8つの問いで確認してみてください。
《学力》
- 定期テストの成績は安定していますか?
- 数学と理科に強い苦手意識はありませんか?
《自走力》
- 親が細かく声をかけなくても、長期休みの宿題を進められますか?
- わからない問題を放置せず、自分で調べたり質問したりできますか?
- 勉強とゲーム・動画などの時間を、自分で切り替えられますか?
《家庭の環境》
- 親が高専の説明会や出願情報を調べる時間を取れますか?
- 過去問の入手や模試の申し込みなどを、親がサポートできますか?
- 家に落ち着いて勉強できる場所と時間がありますか?
当てはまった数をもとに、次の3段階で考えてみてください。
| あてはまった数 | 目安 |
|---|---|
| 6問以上 | 塾なしでも進めやすい |
| 3〜5問 | 外部サービスの一部利用を検討 |
| 2問以下 | 塾や外部サポートを検討 |
あくまで目安です。お子さんの学習習慣や、志望校の合格圏との距離もあわせて判断してください。
チェック結果は3段階で考える
当てはまった数をもとに、次の一手を整理します。
| 目安 | 状態 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 塾なしで進めやすい | 学力・自走力・親の情報収集がそろっている | 過去問+模試で現在地を確認する |
| 一部だけ外部利用 | 自走はできるが、高専情報の収集や実力把握に不安がある | 模試・講習などを必要な部分だけ使う |
| 塾を検討したい | 学力・自走力・質問できる環境に不安がある | 高専対応の塾を比較する |
学力・自走力・親の情報収集の条件がそろっている家庭は、現時点では塾を前提に考えなくてもよさそうです。
「うちは微妙かも……」と感じた家庭も、ここで結論を出す必要はありません。高専入試の特徴を知ると、何を外部に頼るべきかが見えやすくなります。
高専入試は普通高校と対策が異なる

塾を使うかどうかに関係なく、先に知っておきたいことがあります。
高専入試を普通高校と同じ感覚で進めると、必要な対策がずれる可能性があります。
出題の傾向と配点の違い
国立高専の学力入試で、まず押さえたいのは次の4点です。
- 共通問題・マークシート方式
国立高専の学力検査は、国立高専機構が作成する共通問題を使います。学力入試の日時も同じです。解答はマークシート方式です。
- 学校ごとに配点が違う
同じ問題でも、学校によっては数学・理科・英語などに傾斜配点を設けています。重視する教科や傾斜配点の倍率は高専ごとに異なるため、志望校の募集要項を必ず確認しましょう。
- 数学は基礎+応用
基本的な計算問題を確実に解くだけでなく、関数・図形などで、条件を整理して複数の知識を組み合わせる問題も出題されます。
- 理科は暗記だけでは足りない
基本知識に加えて、実験・観察や与えられた情報をもとに考える問題も出題されます。
推薦選抜は、面接・作文・小論文など、学力検査とは異なる準備が必要です。内容は学校ごとに異なるため、募集要項でご確認ください。
国立高専は共通問題を使いますが、受験教科や配点の扱いは学校によって異なります。まず志望校の募集要項で、受験教科・傾斜配点・内申との比率を確認してから、勉強の優先順位を決めましょう。
※ここでは国立高専の学力検査を中心に説明しています。公立・私立を含め、入試方式や配点は学校によって異なるため、各校の募集要項をご確認ください。
塾の先生が高専入試に詳しくない理由
「近所の塾に通っているから大丈夫」と思いたくなりますが、ここは確認してほしいポイントです。
高専を受ける子は、普通高校を受ける子と比べるとかなり少ないです。そのため、一般の塾には高専入試のノウハウが蓄積されにくいのが実情です。これは塾の先生の怠慢ではなく、仕組み上どうして起きやすいことです。
もうひとつ、見落とされがちなのが模試です。
一般的な高校受験向けの模試は、公立高校入試を意識した問題構成や判定になっていることが多いです。一般模試の結果だけでは、高専志望者の中での立ち位置や、高専入試への対応度までは見えにくい場合があります。
いちばん避けてほしいのは、
違いに気づかないまま進んでしまうことです。
《体験談》
僕の中学校から高専を受験したのは、
高専の存在を教えてくれた友人と僕の2人だけでした。
母校には何年も高専への進学実績がなく、
参考にできる先輩がひとりもいませんでした。
情報は自分で集めるしかありません。
中3の8月から近所の塾に通い始め、
同級生が普通高校の対策をしている横で、
高専向けの勉強をしながら、併願する公立・私立高校対策もして……。
「この方向で合っているのか」を
確かめる材料がないまま走っていた感覚です。
当時を振り返って思うのは、勉強だけでなく、
進む方向を判断するための情報が必要だったということです。
塾なしで進める家庭がやること

「うちは塾なしで進められそう」と判断した家庭向けに、具体的な進め方を整理します。
まずは無料で使えるものから始めましょう。必要になったら、外部サービスを足していきます。
無料で揃う対策リソースを使う
- 過去問(国立高専)
国立高専機構の公式サイトでは、国語・社会・数学・理科・英語の過去問や正解、解答用紙が公開されています。書店で問題集を探し回る前に、まず公式の過去問を確認してみてください。
※著作権の関係で、一部が非公開になっている問題があります。
- YouTubeなどの無料発信
高専や高専受験について発信している無料動画やチャンネルもあります。公式情報だけではわかりにくい学校の雰囲気や、受験準備の情報を補う材料として使えます。
過去問の使い方には、ひとつコツがあります。
最初は「解けるか」より、
「どんな問題が出るか」を見る
まずは親子で一度、過去問を眺めてみてください。「一般的な高校入試と違う」と気づくだけでも、その後の対策を考えやすくなります。
外部サービスは必要な部分だけ使う
塾なしで進める場合でも、独学だけでは把握しにくいものがあります。
「高専志望者の中での現在地」です。
一般的な高校受験向けの模試だけでは、高専志望者の中での現在地が見えにくい場合があります。ここは高専模試など外部の力を借りると見えやすくなります。
高専入試に特化した模試の中には、塾に入らなくても単発で受験できるものがあります。
※日程や受験料は変わることがあるため、最新の内容はナレッジスターの高専模試ページで確認してください。
無料相談で現在地を整理する
自分たちだけでは
「今の学力でどこまでいけそうか」
「何を優先して対策すればいいか」
が判断しにくい場合は、高専受験に詳しい人へ一度相談してみる方法もあります。
たとえばナレッジスターでは、高専受験専門の進路アドバイザーによる無料勉強相談があります。現在の学力・評定・志望校をもとに、現在地とこれから優先したい対策を整理できます。
いきなり入塾を決めるのではなく、まず現在地を整理するために外部の力を使うという考え方です。
- 高専模試で現在地を確認する
- 無料相談で対策の優先順位を整理する
- 模試・講習を必要な分だけ受ける
現在地を確認したうえで、それでも継続的な支援が必要なら、そこで初めて塾を検討すれば十分です。
子どものために親ができること
親が勉強そのものを教える必要はありません。できることは主に次の2つです。
- 週1回の声かけ
成績ではなく「最近どう?」と様子を聞く
- 情報収集の分担
出願要件や説明会の日程は親が調べる
高専受験では、情報収集も大切です。
「調べる係」を親が引き受けると、子どもは勉強に集中しやすくなります。
塾を検討してもよいケース

塾なしで進められる家庭もありますが、次のような場合は外部のサポートを検討してもよいでしょう。
- 学力差がある
合格圏まで距離があり、何をどの順番でやるかを独学では判断しにくい
- 詰まりを自力で解消しにくい
高専の過去問は、わからない問題を自力で解消しにくいことがあります
- 自走が苦手
計画や進捗管理を本人だけに任せると、止まりやすい - 推薦入試を考えている
面接や作文は家庭内だけでは対策しにくい
どれかに強く当てはまるなら、家庭によっては、高専対応の塾を検討する価値があります。
《体験談》
「今、僕が高専受験するなら塾を使うか」
と聞かれたら——僕は、使うと思います。
当時いちばん苦しかったのは、
勉強量そのものより「この方向で合っているのか」を確かめる手段がなかったこと。
それを確認できる場所があるなら、一度使ってから進みたいです。
すでに塾に通っている場合は、転塾を考える前に、まず今の塾へ確認してみてください。
「高専入試の指導実績があるか」
「高専の過去問対策をしてもらえるか」
2点を中身まで聞いてみるのがおすすめです。
対応できる塾もありますし、「高専は専門外です」と正直に教えてくれる塾もあります。
少し聞きにくい質問かもしれません。
でも、確認しないまま進むほうがリスクは大きいです。
今の塾で対応が難しいとわかったら、その時点で高専対応の塾やオンライン塾を比較すれば十分です。
迷うなら、高専受験に詳しい塾の無料相談で、今の状況をそのまま話してみるのもよいでしょう。
塾はいつから考える?学年別の目安

塾を検討する時期は、学年ごとの受験準備とあわせて考えるとわかりやすいです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 中1〜中2 | 高専の情報収集、得意不得意の確認 |
| 中2後半 | 過去問を見て、入試の雰囲気を知る |
| 中3春〜夏 | 基礎固め、模試や相談で現在地確認 |
| 中3秋以降 | 過去問演習、弱点補強、推薦対策 |
参考までに、高専対応塾の中には「中3の夏までに基礎を終え、秋から高専向けの演習に入る」という形で指導しているところもあります。
目安として、秋以降は「基礎を作る」より「仕上げる」意識が強くなります。
まだ塾を決めなくても、できることはあります。
「うちはまだ中2だし……」
「もう中3の秋だけど……」
中3の秋からでもできることはあります。
ただ、選択肢は少し狭くなります。
入塾するかどうかを決めるより先に、現在地の把握だけ早めにやっておくことをおすすめします。
過去問を眺める。
模試を1回受けてみる。
それだけで「あとどれくらいか」が見えて、塾の要否の判断も具体的になります。
元高専生として伝えたいこと

高専では、入学後も自分で学び続ける力が求められます。
授業は90分。
課題もレポートも多い。
進級できずに留年する学生もいる世界です。
手取り足取り教えてもらうことを前提にはできません。「自分で計画して、自分で学ぶ」が当たり前に求められます。
《体験談》
入学して最初の定期テストで、僕は40人中38位でした。赤点が4つ。最後の生物学は前日の夜中2時まで手付かずで、36点。クラス最低点です。
そこから、最初のテストで8位だった友人の部屋に「勉強おしえてくれ!」と毎日通いました。
誰かが勉強させてくれるのを待っていたら、
置いていかれる。
それを最初のテストで体で覚えました。
だから、本当の問いは「塾が必要かどうか」ではないのかもしれません。
「入学後も自分で学び続ける状態を、
受験期にどう作るか」
僕は、ここが高専受験の本質だと思っています。
塾なしでいくなら、
受験勉強の過程そのものが自学の訓練になる。
塾を使うなら「教えてもう」だけでなく、
「自学の型が身につくか」も見てほしい。
どちらの道でも、この軸さえ持っていれば大きくは外しません。
お子さんは今まさに、
その訓練の入口に立っています。
高専の赤点・留年のリアルはこちら

まとめ:判断基準をもう一度

最後に、ここまでの内容を『塾が必要かを決める順番』に沿って整理します。
- 塾なしで合格する子もいる
目安は『学力・自走力・親の情報収集』の3つ
- 判断は「塾なし/一部だけ外部利用/塾を検討」の3段階
- 高専入試は、普通高校と対策が異なる
- 塾なしなら『過去問・模試・親の情報収集』を組み合わせる
- 迷ったら、入塾より先に「現在地の把握」
お子さんは、今どの段階に見えますか?
親から見えている姿と、実際の学力や自走力には、ずれがあることもあります。
だからこそ、まずは現在地を測ることが大切です。
次の一歩
- 塾なしで進める方・迷っている方
→高専機構の公式サイトで過去問を見る
- 塾を検討する方
→候補の塾に、高専入試の指導実績や過去問対応を確認する
よくある質問

Q. 高専受験は塾なしでも合格できますか?
できる子はいます。
目安は「学力が合格圏にある」「子どもが自走できる」「親が情報収集を支えられる」の3つです。この3つがそろっているほど、塾なしでも進めやすくなります。
進め方は、無料公開されている過去問と、模試の単発受験が軸になります。
Q. 高専受験の塾はいつから考えるべきですか?
塾を検討し始める目安は、中2後半〜中3春です。
中3秋からでもできることはありますが、選択肢は狭くなります。迷っているなら、まず模試などで現在地を確認してください。
Q. 近所の一般的な塾でも高専受験に対応できますか?
対応できる場合もあります。
ただ、高専受験生は少ないため、塾によっては、高専受験の指導経験が限られる場合があります。
「高専入試の指導実績があるか」
「高専の過去問対策をしてもらえるか」
を中身まで確認した方が安心です。
Q. 塾なしで高専受験をするなら何から始めればいいですか?
まずは、国立高専の過去問を見てみてください。
国立高専機構の公式サイトで無料公開されているので、親子で眺めて傾向を知るところから始めてください。そのうえで高専入試に特化した模試を単発受験すると、現在地がわかって計画を立てやすくなります。
Q. 親はどこまで勉強に関わればいいですか?
勉強そのものを教える必要はありません。
週1回の声かけと、出願情報や説明会日程などの情報収集を親が担うだけでも支えになります。
高専の学力入試の対策方法はこちら

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