
本サイトの管理人で、高専卒業生のマーティーです。
このページでは「高専に進学するメリット・デメリット」について、卒業生の視点で解説します!
高専は中学卒業後に5年間かけて「大卒相当の専門知識習得を目指す学校」です。
「高専って、就職に強いって聞くけど本当?」
「高専にはメリットもあるけど、デメリットもあるのかな?」
高専を進学先に考えたとき、いい点ばかりに目が行きがちです。
でも、進路を選ぶうえでは、メリットとデメリットの両方を知ることがとても大切になります。
この記事では、実際に高専を卒業した僕が感じた、高専のメリット・デメリットについて、実例も入れながら解説していきます!



「高専って何?」という方はこちらから👇
《本記事の結論》
- 中学卒業後すぐに、実践的なスキルを学べる
☞工業系に進むと決めたらとことんやれる!
- 高専向けの求人数が多く、大企業に就職しやすい
☞2024年度の求人倍率は20倍超え!
- 国立大学に3年編入というかたちで入れる
☞普通高校のような大学受験対策は不要!
- 大学と同じように卒業研究がある
☞研究を通じて学べる事がある!
- 学費や寮費が安い
☞国立だからできる!
- 入学してからの進路変更がしにくい
☞5年間、工業系を学び通す覚悟が必要!
入学後に文系に進むのは大変…… - 寮生活が必要な場合、15歳で親元を離れることに
☞親の立場からすると寂しい……
- 学校の勉強だけではモノづくりはできない
☞モノづくりをするには更に特化した勉強が必要!
- 大卒とは2年分の待遇差があるのが一般的
☞就職後の賃金差はしょうがない……
でも、頑張れば追いつける!
高専に進学するメリット



早速、高専進学のメリットについて解説します!
中学卒業後すぐに、実践的なスキルを学べる
高専は1年生のうちから専門科目の授業があります。



僕は「電気電子工学科」だったので、
・電気回路基礎
・プログラミング(C言語)
・電気回路実習
などの授業が低学年のうちからありました!
普通の高校、特に進学校に入学すると、大学受験に向けて勉強が必要ですが、高専では必要ありません。
大学受験の勉強の代わりに、早い段階から実践的なスキルを学ぶことができる!
☞工業系に進むと決めたらとことん学べる!



1年生の時から学んでいた電気回路や実習での経験が、今の「回路設計者」という職業に活かされています!
高専向けの求人数が多く、大企業に就職しやすい
高専のメリットで外せないのが「就職のしやすさ」です。
- 求人倍率が高い(学生一人当たりの求人数が多い)
☞大学の平均求人倍率が2倍を下回る中、高専の求人倍率は20倍以上と桁が違います。 - 学校推薦がもらえる
☞学校推薦があると、過去の先輩たちの努力、信用を使わせてもらうことができます。また、来年以降の就職希望者にも影響が出るので、落としにくいと勝手に思っています。



僕も学校推薦で、就活で受けたの1社だけ!
ただ数が多いだけではなく、大企業と言われるような会社の求人もたくさんあります。2024年度の実績はこちら(月刊高専より)



求人倍率が高いのも、受かりやすいのも、5年間で実践的なスキルを身に付ける学校だからこそ!
国立大学に3年編入というかたちで入れる
高専は5年制の学校なので、短大卒と同じ準学士の資格が取得できます。
そのため、高専から国立大学に入る場合は「3年に編入」が可能です。



最終的に就職しましたが、中学時点で高専に行くと決めた一番の理由はこれです!
普通に国立大学に入学する場合、大学受験が必要ですが、その過程をスキップできます。
また、編入試験についても「学校推薦」というかたちで受かる方法もあります!
「大学受験勉強」をせずに専門性を磨き、行きたい大学にも行ける!
同じ高専の専攻科に行くという選択肢もあります。
☞7年通うことになるので、小学校以上の通学歴に!笑
大学と同じように卒業研究がある
高専は大学寄りの教育機関のため、卒業研究があります。
「研究」をして、「論文」を書き、「研究発表」までを5年生の1年間でやる。



僕は高電圧でオゾン(O3)を発生させて、ガソリン燃焼に与える影響について研究をしていました!
研究発表のためのデータ取りで、講義後に研究室に籠って実験したり、論文を書いたり、発表会用の資料を作成したり……
一般的には短大卒の段階で、ここまでの経験はできないと思いますので、高専ならではのメリットかなと思います!
学費や寮費が安い
高専は国立なので、学費や寮費が安いのもうれしいポイントです!
各高専や大学によって変わるので、具体的な数値記載は控えますが、授業料が国立大に比べて1/2程度、私立大と比べると1/5程度です。
また、寮費についても大学生が一人暮らしや下宿をするのに比べると格安です。
高専に進学するデメリット



デメリットも理解して進学を決めてほしい!
ということで解説します。
入学してからの進路変更がしにくい
メリットとして「専門スキルを深く学べる」ことを記載しましたが、裏を返すとデメリットに……
だからこそ!
- 自分は理系だ!
- 工業の道に進むと決めている!
- 〇〇会社に就職する!
- 〇〇大学に3年で編入する!
と、将来のことをある程度決めて、覚悟を持って高専を受けてほしいなと思います。



入学してからでは遅い……
でも、覚悟を持っては入れたらメリットだらけ!
僕の場合は明らかに理系だった(国語、英語が苦手だった)ので、高専受験の選択を迷うことはありませんでしたし、入学後も後悔はしませんでした!
高専受験をする場合は、その道で行くと覚悟を持って!
寮生活が必要な場合、15歳で親元を離れることに
15歳で実家を離れるのは寂しいもの……親になってより感じましたが、15歳で子供が家を出るってのは親としても寂しいですね。
と、デメリットとして書きましたが、本人としては寂しいのは最初だけ!笑
寮生活では一日中友達と過ごし、テスト前には得意科目ごとに勉強を教え合い、楽しく過ごしたかけがえのない時間です。



特に僕は、寮生活でだいぶ人生が変わりました!
1年生の最初はテストの成績が悪く、上位の人に聞きに行ったり、同室の人の勉強方法をマネしてみたり、時には先輩に過去問をみせてもらいに行ったりとフル活用!
また、寮生会役員に入り、副寮長まで務めるなど、積極的に寮に貢献もしてきました。
実家を離れるのは寂しいけれど、寮生活は得られるものの方が多い!
学校の勉強だけではモノづくりはできない
社会に出てしまえば当たり前のことですが、学校で勉強したことだけでは、モノづくりをすることはできません。
ただ、学校の勉強がムダかと言われるとそんなことはなく、15年以上回路設計者として働いていても、土台として機能していると実感しています!



問題は、「学校の勉強だけ」ではダメということ!
学生時代に何を頑張るかですが、資格取得をしたり、ロボコンに参加してみたりとモノづくりを極める活動をするのもひとつの選択肢!
逆に、資格や本当に仕事をしていくのに必要な知識は、会社に入ってみないとわからないので、学生時代には学生にしかできないことに打ち込むのもひとつ。



僕の場合は部活を頑張りました!
学校の勉強だけではダメだけど、土台としては必要!
その上に仕事で必要なスキルを積み上げていこう!
大卒とは2年分の待遇差があるのが一般的
高専卒で就職するデメリットは大学卒とは「学歴」に差があること。
どうしても大学卒の「学士」や大学院卒の「修士」とは給与面で差が出てきます。
そこで選択肢は2つ!
- 高専卒で就職して、数年かけて追いつく!
- 高専から大学3年へ編入して学歴を持って就職する!
やりたいことに合わせて、どちらの選択肢でもいいと思います。



僕の場合は①を選んで、15年かけて追いつきました!
①の場合は追いつくまでに人それぞれ年月がかかるとは思いますが、メリットは2年~4年早く社会に出て働けること!
22歳や24歳の同じ歳でも、仕事を一通り回したことがあるかというのは大きな差になります。(2年~4年分多く給料をもらっている、学費がかかっていないことも金銭面のメリット!)



僕の場合は入社して2年目には3つ年上、3年目には2つ年上の後輩ができて、仕事を教えていました!
高専に進学するメリット・デメリットまとめ



本ページでは、高専に進学するメリット・デメリットをまとめました!
メリットはもちろんいいところですが、デメリットとして挙げた面についても、人によってはメリットと捉えることができます!
- 中学卒業後すぐに、実践的なスキルを学べる
- 高専向けの求人数が多く、大企業に就職しやすい
- 国立大学に3年編入というかたちで入れる
- 大学と同じように卒業研究がある
- 学費や寮費が安い
- 入学してからの進路変更がしにくい
- 寮生活が必要な場合、15歳で親元を離れることに
- 学校の勉強だけではモノづくりはできない
- 大卒とは2年分の待遇差があるのが一般的
高専を卒業すれば就職はできるし、進学したいと思えば編入で入れる。
工業系の分野に進むと中学時点で決めることができれば、高専ほどいい環境はないと思います!



中学時点で目指す未来が決まっている場合は、ぜひ高専に進んでみてください!
高専を選ぶ上で参考になる記事はこちら👇
寮生活に不安がある方はこちら👇





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